
発達心理学の専門家田島信元先生
白百合女子大学名誉教授
白百合女子大学
生涯発達研究教育センター特別研究員
Q. 非認知能力とは、どういう力のことでしょうか?
田島先生
非認知能力についてご説明する前に、皆さんにお伝えしたいのは、子どもがどういう存在として生まれてくるのかということです。
子どもは0の状態で生まれてくるのではなく、ポテンシャル(潜在能力)をもって生まれてきます。
そのポテンシャルとは、人とかかわりながら、そこで発見した情報・知識を瞬時に理解・学習する能力です。
そのため、子どもは生まれてすぐ、一番身近な存在であるママやパパとかかわろうとします。しかし、その力はポテンシャルですので、子ども自身によって、使われて初めて外に現れる能力となっていくのです。
そんなときに、ママやパパが語りかけたり、応えたりすることで、子どもは「自分は愛されているんだ」という安心感を持ちます。
そんな経験を通して、子どもはまず、人とかかわってコミュニケーションする能力といわれる非認知能力を身につけていくのです。
非認知能力とは大きく4つに分けられ、乳児期から順番に身についていきます。
1. 対人関係・志向能力 : 人と関わりたいという気持ちが高まり、やりとり・コミュニケーションを目指すようになる
2. 自己コントロール能力 : 自己主張と自己抑制(がまん)のバランスがとれる
→自分が「こうしてほしい」という意思表示をするとともに相手の言うことに耳をかたむけるようになる
3. 語彙力・言語力 : 人の発する 言葉をイメージして理解でき、相手の言っていることを理解するようになって、自分でも使うことができるようになる
相手の言っていることを理解するようになる
→どう言えば伝わるのかを人とのやりとりから学び、言葉を使うようになる
4. 自己肯定感 : やればできるという自信が持てるようになる
3までを土台に、相手に働きかければ相手は必ず応答してくれる、という自信
これらの4つの力は、一言で言うと「学習に向かう姿勢・能力」と言えます。
子どもは生まれつきすぐに使える認知能力は少ないのですが、あっという間に学習していろんな知識を身につけていきます。
この「非認知能力」=「学習に向かう姿勢」とは、人とやりとりをしながら情報・知識を学習することで、認知能力(思考力・分析力・判断力・創造力)そのものを引っ張ってくるという、いわば知的発達の土台となる力で、大切な力なのです。
非認知能力と認知能力を山で例えると、山の7合目までは非認知能力、8・9合目が認知能力で構成されていると言えます。7合目までは親とのかかわりの中で、8・9合目までは子ども自身が自ら培うものです。さらに言うと、7合目までは0~2歳台の間にはぐくまれやすいのです。そして、10合目で、再び非認知能力の最高点である「自信」で完成し、その後、再び非認知能力→認知能力という一段上のスパイラルを目指します。
Q. 非認知能力はどうして大事なのでしょうか?
田島先生
大事な理由は3つあります。
1. 非認知能力を獲得して初めて認知能力を獲得できること
2. 認知能力によって様々な知識を得ることができ、
身につけた知識を社会に出たときに使える能力につながること(創造性)
3. 社会に出て、知識を仲間と共有する場において創造性が磨かれていくこと(共創性)
つまり、非認知能力という土台がしっかりできていると、社会に出たときに、自らの創造性を発揮しながら様々な人と共に新しいことを創り上げていける、社会に貢献できる人間になっていくのです。
Q. では、その非認知能力をはぐくむにはどうしたらいいのでしょうか?
田島先生
山の例えでもありましたように、0~2歳台のママやパパとのやりとりが大切です。
具体的には、
1. 語りかけ(子どもへの応答)
2. 歌いかけ
3. 読み聞かせ
の3つです。おすすめは、ママやパパの声ですること。
なぜならママやパパの声そのものが子どもの興味の中心だからです。
最初はぜひママやパパの声でやってみてくださいね。
田島先生、ありがとうございました!
非認知能力がはぐくまれやすい0~2歳台の時期におすすめ!
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